地域・中小企業政策研究センター(HIAS SME)は2020年春に社会科学高等研究院に設置されました。本センターの目的は、地域・中小企業政策の研究を促進することにあります。特に、本学と経済産業省中小企業庁の連携・協力協定に基づいて、(1)行政課題・ニーズを踏まえた研究、(2)各種統計および行政保有データを活用した研究、(3)共同研究等を通じた大学と行政の学術交流の推進を目指します。このように、地域経済や地域振興を考慮しつつ、中小企業に関わるさまざまなミクロデータを駆使して高度な実証研究を行い、成果を公開・発信するとともに、地域振興政策を含む中小企業政策の評価と設計に貢献することが、本センターの使命です。つまり、本センターは地域・中小企業政策に関するEBPM(Evidence-based Policy Making:証拠に基づく政策立案)の研究拠点です。

本センターは2020年12月現在、本学の経営管理研究科・経済学研究科・法学研究科・経済研究所に所属する専任教員7人を研究員として擁する組織となっています。今後、本学と経済産業省の間で締結された連携・協力協定に基づき、政府統計の個票データ(二次利用)や中小企業白書等で分析している各種アンケート調査の回答データ等を用いて、さまざまな共同研究を進めていきます。また、行政データの利用可能性と適切な利用方法・条件についても、公法の専門家を交えて検討します。さらに、他の大学や研究機関等から客員研究員を受け入れ、研究体制を拡充することを考えていきます。さまざまな企業データ・地域データ等とのマッチング作業も重要です。

本センターでは、我が国の地域・中小企業を取り巻く政策課題を的確に把握し、日本にまだ類例のない地域・中小企業政策の定量的研究の全国的な拠点として、さまざまな研究を進めていきます。